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■論文・コラム02


 自治体においてFM(ファシリティーマネジメント)を導入するための手法
 大武 通伯



1.FM導入のアプローチとプログラムモデル

 多くの自治体は、高度経済成長期に大量に整備された公共施設のストックの維持管理・運営を、効率的に実施する方法を探っている。公共施設の維持管理・運営の問題は、FM(ファシリティマネジメント)といわれる“施設経営”手法によって、多くの課題を解決できる。FMは、多様な手法をもった経営手段であり、FM導入のアプローチも一様ではなく、FM実施のプロセスもこれに取り組む主体によって変化する。

(1)FM導入のアプローチ   

 効率的な施設経営のFM手法を自治体に適応するためのアプローチは、先事例から、いくつかのパターンに分類できる。

①トップダウン型
 いくつかの都府県では、自治体のトップ(知事、市長、議会等)の強い指示により実施計画が進められている。
②行政改革推進型
 企画室や政策推進室といった行政改革推進部門の発意から、施設管理・運用の効率化を促す企画が立案されるケースがある。
③財政主導型
 施設整備や改修予算の配分について、限りある予算に優先順位を付け、透明性を持った事務処理を促すためにFM手法を活用する事例がある。
④営繕主導型
 膨大なストックの維持管理コストの増大に対して、危機意識を持つ営繕部門の技術者が、施設整備の技術を活用して、FM推進の企画を立案するケースがある。

 これらの類計的なパターンの他にも、自治体それぞれが持つ特殊性を勘案したアプローチが考慮されるが、どのケースでも財政部門、営繕部門、行革部門と施設の運営部門のコラボレーションがFM計画を成功に導く鍵となる。
  
(2)FM実施プログラムモデル

 FM実施のプロセスは、自治体によって多様であるが、典型的な進め方を「実施プログラムモデル」として図表化した。
 まず、問題提起のアプローチがあり、庁内での組織的活動が始動し、委員会等でFM実施の基本方針が策定される。この委員会報告を内外に公表し、関係者のコンセンサスを得て予算措置を講ずることが肝要である。そして、この委員会推進には、外部のFM専門コンサルタントを活用することが効果的である。その後、FM実施計画チームを設置し、具体的なFM実施段階に入るが、施設のデータベースが整備されていないと効率的なFM実施は困難である。実施計画策定では、専門的知識や技術を持ったコンサルタントを活用して、保全規程、基準、各種マニアル類を整備するが、これらはモデルプロジェクトの適用によって検証される必要がある。
 最終的には、全庁的な取組みとしてのFM実施の施策になるが、組織横断的なFM推進の専門組織が設置され、施設の維持管理・運用の責任と各部門の役割りが明確になることが重要である。


2.FM実施の進捗度マップ

 FMといわれる“施設経営”手法は、多岐にわたる内容と多くの手法があり、自治体が目指す施設経営の目的によってFM手法を選択することができる。
 FM実施の進捗度は、FM実施の「初期のFM手法」、「各種FM手法の展開」、「効率化したFM事業執行」の各項目について進捗程度(レベル)を選択して進捗度を数字化し、一覧表によってマップ化して位置付けを確認する。この場合、FM実施プログラムモデルに示した典型的なプロセスの他に、各自治体の特色を出したFM実施プログラムが作成され、各種のFM手法についても、全てに対応する必要はない。FM実施のプロセス、順番についても独自のフローに従って実施計画を立案すればよい。

(1)初期のFM手法
 FMを実施する場合の初期段階では、次のようなFM手法が実施される。



(2)各種FM手法の展開
 FM実施を推進するプロセスでは、多様なFM手法が展開されるが、それぞれの自治体によって活用する手法や順番は異なったものになる。







(3)効率化したFM事業執行
 FMを推進し、展開していくプロセスでは、効率的な事業執行にFM手法が重要な役割を担うことになる。



(4)FM実施の位置付け
 初期のFM手法からFM事業執行までの進捗度をマークすることによって、各自治体のFM実施の位置付けが明示される。



3.進捗度マップ
 FM実施の位置付けは、FM進捗度の1~5の番号をマーキングして明示されるが、他の自治体との比較は「進捗度マップ」から明確になる。マップで自らの進捗度を右端の欄に表示(下記のマーク)をすることによって、比較が明らかになる。先進自治体の例は、公表しているデータを主にマーキングしているが、一部は推定でマークしている。


(註)1-×  2-△  3-○  4-◎  5-●



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