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■論文・コラム12
12.設計者に求められるLC設計
大武 通伯
LC設計とは
建築の設計者は、建築が完成することで設計の業務が完了すると思っているが、本来の設計業務の責任は、完了した後にもあると認識したい。LC設計は、ライフサイクル設計の略語であり、長寿命建築には欠かせない要素である。しかし、LC設計を念頭に持たない設計者が多いことも事実であるため、その重要性をあらためて喚起しておきたい。
LC設計とは「建築物を存続させることとして設定した期間を通して、社会変動や物理的劣化に起因する改修、更新に可変的に対応し、経済性・安全性・快適性・利便性や保全の容易性等、建物に要求される品質や性能を充分に発揮できる建築物を設計する手法」と定義されている。
建築は、建築主の事業目的を達成するために建てられる。しかし、事業の目的は、公共の場合意は住民サービスであり、民間企業であれば事業による収益の獲得であるが、事業の継続期間は短く、建築本体の寿命は長い。この事業が継続している期間、事業の目的に沿った建築の品質や性能を確保する必要があるが、事業の変化に追従した改修も必要になってくる。
設計者は、建築本体の躯体、建築内外装、建築設備といった寿命の異なる部材、機器の改修や更新に対応すると共に、事業内容にあわせて造られた内外装、各種の設備、備品等に対応した設計を建築本体と事業のライフサイクルに合わせたものにする必要がある。
LC設計は、LC評価の4要素といわれる「耐久性と耐用年数」の設定、「LCC」の検討、「メンテナビリティー」「フレキシビリティー」への対応が求められ、建築の長期的な価値判断の目安と考えられる。
LC設計につての詳しい内容は「建築技術」(建築雑誌)2月号に「わたしの技術伝承ノート」として、LC設計を実践したプロジェクトを通して紹介しているので参照されたい。
LC企画 大武 通伯
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